あはれ花びらながれ おみなごに花びらながれ おみなごしめやかに語らひあゆみ うららかの跫(あし)音空にながれ をりふしに瞳をあげて 翳(かげ)りなきみ寺の春をすぎゆくなり み寺のいらかみどりにうるほひ 廂(ひさし)々に 風鐸(ふうたく)のすがたしづかなれば ひとりなる わが身の影をあゆまする甃(いし)のうへ |
昨年(2003年4月)、三好達治の「甃のうへ」に巡り会った感動を述べました。最初に出会ったのは中学か高校のころですから、今から50年以上前のことにはなりますが。
今回、(2004年12月12日に行われた)京都観光文化検定試験に、チャレンジしました。45年京都に住んで、なんとなく自分の京都についての知識がどの程度か確かめたかったという以上のものではありません。もっとも、事前の準備としてテキストを何度も通勤電車の中で読み返すことはしましたが。
試験は、なかなか厳しくて、3級に合格するかどうかは、あまり自信がありません。60問位はだいたい分かったのですが、40問は自信がないか全く分からない問題でした。4択でしたから、40問をでたらめで答えたら1/4の10問合っているでしょう。分かったと思った60問が全部正解だとは限らないので、まあ運が良かったら合格でしょうし、運がなかったら不合格です。
問題の中に、御寺はどこのことかというのがありました。仁和寺、泉涌寺、東福寺、東本願寺と、4つありました。これが分からなくて、迷ったあげく、結局私の家の近くの仁和寺にしました。御室というのが、御寺という言葉となんとなく連想されたという理由と、もしそうだったらいいなという希望も含めてです。
ところが、後からよく考えてみると、前もってテキストの泉涌寺のところを読んだとき、「御寺と言われる」とあったことを思い出したのです。特にそのとき、なんとなくこの「甃の上」の詩を思い出して、そうか、三好達治の歩いたのは、桜の泉涌寺であったのかと感慨を覚えたのです。(三好達治のみ寺が泉涌寺であったのか分かりませんが、多分まちがいないでしょう)ところが、残念なことは、試験会場でこの感動のことを全く思い出せなかったことです。
済んだことは仕方ありません。1問の誤答で不合格ならそれも仕方ありません。結果は来年2月が楽しみです。
来年の桜時分に、ぜひ泉涌寺に行って、そのみどりにうるおっているいらか、廂のしづかな風鐸をこの目で見て、甃の上に私の影を歩ませたいと思います。