柴の小太郎は、毎日朝と夕に散歩に連れていきます。運動をさせるという意味と、飼い主の軽い散歩のためですが、この散歩は、犬のトイレ散歩でもあります。私が休みの時には大抵朝も夕も連れて行きますが、それは週2回なので、ほとんどは家内が連れて行きます。息子や娘が連れていってくれるときもあります。
犬は数メートル歩くたびに、くんくん臭いをかいでしっこをします。人間の何万倍もあり嗅覚でかぎ分けて、自分の縄張りであることのマーキングをすると聞いたことがありますが、なかなかとっとことっとこ歩いてくれませんねえ。よそのおうちの塀などにしっこをかけるのまずいので、大抵は電柱にさせます。これが一番無難な感じです。糞は散歩毎に1、2回しますが、これは道ばたに残してはいけないので、採って持ち帰ります。ところがこれを放っておく人もいるのですね、飼い主を犬が恥ずかしがっているのではないでしょうか。かなり以前ですがテレビで「ご近所の底力」という番組を見て、糞を回収せずに放っておく飼い主がいるから犬嫌いが増えると言われて犬好きとしては困るので、よその犬の糞も持ち帰ることにしているという話があり、私も感心して、それ以来私はよその犬の糞でも見かけたら回収することにしています。嵐電の線路沿いとか、よく見かける場所があります。多いときには1回に4,5匹分の糞を回収したこともありました。舗装していなければ自然に返るのもいいのではと思いますが、見る人が不愉快になるので、そうならないようにという訳です。 最近ではコースを変えて双が岡の麓を歩いていますので、ここでは行儀の良くない飼い主は見かけなくなりました。
犬はしっこをするときに、かならず後ろ足の片方を上げます。これは何故かご存知ですか。私がまだ子どもの頃、もう60年くらい前になります。田舎の藁葺きの家に、兄弟6人、両親、そしておばあちゃんと住んでいました。冬はいろり端に坐って、少し煙い中でおばあちゃんがいろいろ話をしてくれました。
犬は、昔は3本足でした。それでぴょんぴょん歩く姿を見てかわいそうに思った聖徳太子が、火鉢やいろりに鉄瓶を置いたり、鍋をおく台の五徳というのがありますが(京都で鉄輪というのでしょうか丑の刻参りで頭に載せ、ローソクをくくりつけるものです)、それはもともと4本でしたので、そのうち1本を取って犬の足につけてやりました。五徳は当時四徳と言っていたのですが、足を1本減らした代わりに、1徳増やして、五徳と呼ぶようにしたのです。犬は、いただいたもう1本の足をとても喜び、いただいたご恩を忘れず、しっこがかかって失礼に当たらないように、足を上げてしっこをするようになりました、とさ。