長髪のいわれ

 私は会社を定年退職にしてから髪を伸ばしはじめて、現在は後で結んで「ちょんまげ」にしています。
 初めは総髪にしていました。当時総髪の著名人を捜しましたら名君の上杉鷹山、囲碁の坂田栄男、紅孔雀の浮寝丸(東千代介が演じていました、古いねえ)。「七人の侍」の剣客宮口精二が総髪だと思っていましたが、違ったみたいです。
 もっとも私は時代劇映画が好きで、東映映画をよくみましたが、たいてい長髪は悪役でしたね。中村錦之介の「美男城」が珍しく総髪だったような気がします。

 そのうち髪が伸びてきて煩わしいので、後で結んでポニーテールです。この言葉は可愛い女の子のイメージですが、まあいいかと思ったのは、ハリソン・フォードの「逃亡者」を追っかけるFBIジェラード警部が部下の若い刑事をポニーテールとからかって呼んでいましたので、男でもポニーテールでいいか、と思ったものです。

 実用的には、定年まで毎月1回きっちり散髪屋で4千円払って整髪して貰ったのが必要なくなって、年間約5万円は小遣いが増えました。今はあまり伸びるとかみさんに風呂場で切ってもらっています。結んだままハサミでチョン切るので5分もかかりません。

 55年前の秋吉小学校のクラス会をこの秋京都で開きましたが、その機会に小学校卒業写真を拡大してみんなに配りました。そこに写っている私が分かりますか。前から2列目に先生が並んでいますが、そのすぐ後の左から3人女子がいて、そのすぐ右側です。この頃みんな坊主頭だったのに、私だけ長髪です。これは担任の先生にお願いして、私だけ許して貰いました(みんなはそんなことをお願いしなかった)。

 今回のクラス会でこの写真を見て、「小学校の頃から長髪だったの?」と尋ねた女性がいました。いえいえ、卒業式のときはもういがぐり頭になって、次に伸ばしはじめたのは高校を卒業してからでした。 

 サラリーマン時代にはきちんと整髪して、七三に分けていました。一時期パーマを当てたときもありましたし、ベレー帽を被ったときもありましたねえ。七三に分けるのは鏡がいりますので、そのうち少し煩わしくなってオールバックにしました。櫛で後になでつけるだけでいいのですから楽です。しかし営業をしていたこともありましたので、ちゃんと整髪していて、伸ばしはじめたのは定年後です。

 まあ人と変わったことをするのがきらいな人もいますが、私はエンジニアですから本質的に変わったことが好きなような気がします。人と同じことをしていて開発なんか出来ないと思っていますから。まったく田中耕一さんのいう「ヘンジニア」は、私にあてはまりそうです。