「人」の字

(2007. 4. 3)

 小学校の5、6年生の頃だったと思います。「人」の字は2人が寄り添っているところを表しているものだ、と先生から教わったことが印象に残っています。そうか、と感動した印象ではなく、なんとなく自分にはよく分からなかったという印象が残っているのです。

 象形文字の起源からは、「人」の字は、人が前屈みになって、手をだらんと下げているところからこうなったと説明されているようですが、小学校の先生は、お互いに助け合いなさいという意味でこのような説明をされたものと思います。その後のいろいろなところで、2人が寄り添っているのを表しているというのを目にしたことがあります。

 最近私は(68才になって)、血圧と心臓の調子がすこしおかしくなって、立ちくらみするようになりました。座敷でも椅子でもじっと座っていて立ち上がったとき、急激に立つのでなくても、心臓がどきどきして軽いめまいを覚えます。そのとき脈拍は早く、血圧は100前後に下がるのです。ちょっとの時間でもとに戻りますが。

 歩き始めは少し息苦しくなりますが、歩き続けると、平常に戻ります。ところが、じっと立っているとどうも不安定で、柱とか壁に軽く寄りかかりたくなります。人が見ていないときには、しゃがみ込みたくなります。エレベータの中で1人ですとたいていしゃがみます。

 これで小学校の先生の言葉を思い出したのです。この年でようやく立っていることがつらくて、何かにすがりたくなってきました。このことは身体の問題であり、先生の話は心の持ち方のことだと思います。いまのところ身体の問題で感じ始めたので、心で何かにすがるという気持ちはもう一つありません。

 カトリック信仰からは、人間はすべて神によりすがらなければ生きていけないと教えられています。どうも心の底から実感としていつもそう思っているものではありません。信仰から見ると失格です。しかし、身体が何かによりすがるということが分かり始めたところで、心でもそれが分かってくるのもそう遠くないのかも知れないと、思い始めました。

 このページに、人の文字の筆字を載せたくて、自分で筆を取って書いてみようと思いつきました。ところが、書道なんて思いついてすぐ出来るものではないことが分かりました。田舎の中学時代には、学校で書道は成績がいい方でしたから、ちょっとそんな意識があったのでしょうか、特にお互いに助け合っているというイメージを込めて書きたかったので、全然さまになりません。
 まずは今日始めたので半年、出来るだけ毎日少しずつ「人」の字だけに集中して練習を繰り返そうと思います。それまで、字がないのは寂しいので、上の字はある書道の先生のものですが、半年後入れ替えるつもりです。