イエス・キリストが「うそ」をついてはいけませんと言ったかどうか、福音書に「うそ」も「嘘」もないので、もう少し突っ込んで調べてみました。
70人訳ギリシャ語聖書の本邦初訳(秦剛平訳)を見ましたら、出エジプト記20章16節に「おまえの隣人にたいして、偽証をしてはならぬ」と訳されていました。これは新共同訳の「隣人に関して偽証してはならない」と意味は同じです。このギリシャ語原文が分かるといいのですが、今はここまでにしておきます。
マルコ福音書14章56節には「多くの者がイエスに不利な偽証をした」とあります。その個所はギリシャ語で epseudomarturoun(正確さは少し欠けますが、こんな感じです)と出ています。ギリシャ語辞書によるとこれは「嘘の証言をする」とあります。またマタイ福音書26章60節の pseudomarturon についてギリシャ語辞書では「嘘を言う証人、偽証人」とありますので、やはり普通の「うそ」より重いようです。
結局イエス・キリストは福音書では単純な「うそ」を禁じるというのではなく、「嘘の証言をする」ことを禁じているようです。