12月23日、京都の法住寺で行われた、野中さんの「伽羅のクリスマス」の公演に家内と行きました。これまで戸波先生の演奏、吉村桂充さんの地唄舞などで何度か法住寺にお参りしたことがありましたが、今回は本堂ではなく座敷で演奏が行われ、大勢の方が見えていました。
能管と笙はこれまで何度も耳にしていましたが、筑前琵琶の演奏を目の当たりにするのは初めてでした。ラジオで聴いたことはありましたが、これまでのイメージで少し分かりにくいかなと思っていましたら、川村旭芳さんの語り口はとても耳に快く、聞き取り易い旋律で、内容もよく分かりました。
「貴き清らかなこの夕べ」は、イエスの誕生物語そのままであり、和風の語りが、とてもよく合っているように思えました。21日の伊勢教会に行けなくて、どうしても聴きたかったという津教会の信者の方とお知り合いになりました。
当日、筑前琵琶が紹介されたときの平家物語の出だし「諸行無常」は、仏教の考え方ですが、イエス・キリストが説かれた「愛」と、一見違うようにも見えて、実は根底で、通じているところがあるのではないかと感じました。
今回のプログラムのタイトル伽羅のクリスマスの、「伽羅」について、紹介されました。伽羅は香の名前ですが、大阪夏の陣で、大阪方の武将木村重成の出陣の前夜、妻の白菊が兜に伽羅の香を炊き込めて、自分に未練を残さず戦えるようにと、自刃するエピソードです。
この話で思い出したことがあります。もう数十年前のことです。古賀政男の何十年かの記念の祝いの舞台に、大勢の歌手が出演した中で、藤山一郎が「影を慕いて」を歌いました。白黒テレビのイメージでしたから、東京オリンピック前かも知れません。お祝いに駆けつけた長谷川一夫が、この影を慕いてに舞ったのです。兜を片手に女形姿で踊った場面は、鮮やかに目に浮かびます。解説で、木村重成の出陣の夜、兜に香を炊き込めて自刃した奥方の舞であることを知り、ギター伴奏の古賀メロディと、とてもよく合っていました。