うちのかみさんは、もう5年ほど前からカワイ音楽教室に通ってピアノを習っていました。年に1回、ミュージック パーティで、演奏の発表をしていました。そのパーティは、演奏者とその家族、わたしたちと同じ年頃の年配の方で、お茶とケーキのテーブルを囲んで20数人の中で10人ほどがピアノの練習成果を発表するものです。
わたしは三味線を始めて、今年で10年になりました。ふと思いついて、かみさんと合奏が出来るならと、かなり異色ですが練習を始めました。今年の2月のことです。曲目は唱歌でバイオリン曲の「ふるさと」です。バイオリンパートは三味線には少し難しい曲でしたし、ピアノ伴奏もかみさんには少し難しいようでした。
ピアノの先生から了解をいただいて、6月の発表会に合奏させて貰うことになりました。さあそれから猛特訓です。合奏というのは思ったより大変です。リズムが狂ったら即ストップです。相手の音が聞こえるようにもなかなかなりません。
途中で何度も、この曲は難しいからもう少し易しい曲に変えた方がいいと、わたしも言いましたし、娘もそう言いましたが、かみさんはがんこに、とにかく頑張るからこれを続けたいと、曲を変えることには反対しました。ピアノの先生も、少し難しい曲にチャレンジする方が練習になると考えて、これを続けるように言われたようです。ともかくほとんど毎日音合わせをしました。健康上の事情もありましたが、この数ヶ月、わたしが毎晩楽しんでいた晩酌はほぼ止めました。飲むのは月1回くらいでした。
三味線は、竿の長さがバイオリンに比べて2.5倍あります。分散和音を指先で追うのは大変です。2本の絃を同時に弾くところもあるのですが、指が届かなかったりして、結局、1本だけに易しくしました。
2人の合い言葉は、ともかく途中で止まらないようにしよう。どちらかが間違えてもかまわずにそのまま進め、もう一人はどこかで追いつく。これが目標でした。かみさんのピアノの練習はかなり徹底していました。それでもなかなか間違いなく最後まで演奏出来ないようでした。わたしも三味線についてはかなりの練習を重ねて、本番ではまず間違えることはない自信のようなものが出来ました。
6月10日、本番の日を迎えました。わたしは場違いですが三味線を演奏するために、和服にしました。娘がビデオを撮るために来てくれました。結果は、とにかく最初の最大の目標である「途中で止まらないこと」は出来ました。かみさんは少し間違えたと残念がっていました。わたしは、全くおちついていたつもりが、自分でも驚いたことに、ばちが外れること、つぼが外れること、途中で分からなくなりかけることがありました。舞台の経験に比較しても予想外でした。まあ、しかし4分弱の曲でしたが、スタートして最後まで止まらなかったので、満足すべきでしょう。
三味線はこれからも続けますが、間違いないように、あがらないようには何回も何回も練習を繰り返すことしかないと思っています。結果からみると今回の合奏で、わたしの練習がまだまだ足りなかったということだと思います。この秋の奉納演奏のために「たぬき」を練習していますが、年のせいで右手も左手もちゃんと動かないというのは言い訳に過ぎない。練習しかないと思っています。