はやぶさの活躍で糸川博士のことから連想で大学を出て会社に入った頃、「SFマガジン」を楽しんでいたことを思いだした。「SFマガジン」という空想科学小説専門の月刊誌が早川書房から創刊されたのが、50年ほど前である。その創刊を知ったのは、高校時代に推理小説に捕らわれていて、そのころ創刊された「エラリー・クイーンズ・ハヤカワ・ミステリ」が早川書房で出ていて毎月読んでいたから、それにSFマガジンの創刊の案内が出ていたような気がする。それからは推理小説よりもSFにのめり込んだ。
「SFマガジン」の創刊号をなんとか読んでみたいものと思いついて、インターネットで探したら、かつてSFマガジンの創刊号から3号までが合本で復刻されたことを知った。今から15年前のことである。そしてそれをアマゾンで探したら、古書であったが見つかって、安い価格で入手できたのは、望外の喜びである。保存の質もよかった。短編集なのでそれ以来少しずつ昔を思い出しながら読み進めている。これはインターネットの成果である。右はその創刊号の表紙である。
とても面白いと思う一つは、当時の作家たちが未来の世界について描いている日常生活である。作家によってずいぶんばらつきがある。私にとって大きい関心は科学技術がどれだけ進むか、あるいは当時の人たちが予測しなかったことがらが今の世界でどれだけ実用されたかである。
多くの作品では宇宙旅行は当然のものとして描かれているがそれはかなり今の状況から離れている。コンピュータ分野では、ノイマン型基本構造以後の技術革新について、真空管とかパンチカード方式の延長というイメージであり、集積回路の進化あるいは通信技術からインターネットによるクラウド・コンピュータについては50年前にまだ見えていない。携帯電話も出てきたが今と同じ程度のイメージに過ぎない。
これを契機に、ここ50年に限定して私なりの科学技術の変革史をこつこつと作ってみるのも面白いかなと考えているところである。