アシジの聖フランシスコ

 わたしが「福音に生きる」ことを考えて真っ先に浮かんだのは、聖フランシスコです。イエスの生き方に倣って、本当に福音に生き抜いた聖人だとわたしは思っています。アシジの聖フランシスコは次のような人です。

 1979年11月、教皇ヨハネ・パウロ二世は、聖フランシスコを「環境保護の守護の聖人」と宣言しました。
フランシスコが生まれたのは1182年、日本ではちょうど平清盛の権勢がかげり、数年して源義経に壇ノ浦で平家が滅ぼされ、鎌倉幕府が始まるころです。親鸞上人が生まれたのは、フランシスコより10年ほど前でした。ローマから100キロほど北のアシジという町の裕福な商人の子供に生まれたフランシスコは、貴族の若者たちと交際を深め、戦争に行って手柄を立てて騎士になり、いずれは貴族まで出世することを夢見ていました。
そのフランシスコがあるとき突然神の声を聞いて、貧しい人、虐げられた人と一緒に生きようと決心するのです。父親の商品を持ち出して売り払い、そのお金を貧しい人に与え、壊れた教会の建て直しの資金とします。アシジの教会法廷の司教の前で、身につけていた衣服を全て脱ぎ捨てました。「持ち物を売って貧しい人に施し、私について来なさい」と言われたイエスの言葉どおり生きようとしました。持ち物は何も持たず、食べ物は自分で耕して作るか、托鉢して回ったのです。
そのころヨーロッパ各地では教会内の権力争いや腐敗に対して、清貧運動が一般信徒たちを中心に起こって来ていました。初代教会の信徒のように生きることを信条としていたのです。その運動の多くのものが教会の教えから離れすぎて異端として排除されていましたが、フランシスコは教会から離れず、その生き方は多くの若者の共感を得て、仲間が増えてきました。
本当にすべてを捨てて福音にそって生きようとするフランシスコに対して、「そんなことが本当に出来ると思っているのですか」と尋ねた高位の聖職者に対して、フランシスコは「それでは、福音書には出来ないことが書いてあるのですか」と問い返す場面が映画にあったのが印象に残っています。本当にイエスのように生きた人です。
フランシスコは、何も持たず、食べ物は托鉢して歩くという生活の中で、特に自然の動物も植物も無生物も、宇宙の太陽も月も星も神からの恵みとして讃美し、感謝しました。小鳥や動物と話をしている姿はよく絵に描かれています。自然と環境の破壊の危機にある今、彼に深く学ぶことが大切でしょう。
フランシスコは自然界だけでなく、人間が互いに兄弟であることを大切に考えて、心から平和を願い、和解に力を尽くしました。1986年、世界の宗教の代表者100人が、フランシスコの生地アシジに集まり、信仰を異にする指導的な人々が心を一つにして、世界平和を求めて祈ったのです。


右上の絵は、フランシスコが小鳥に説教しているところです。フランシスコは次のように説教したと伝えられています。
『わたしの兄弟である小鳥の皆さん、あなた方は、あなた方の造り主を心から褒めたたえるため、いつも感謝しなければなりません。なぜなら、そのお方は、あなた方の着る物として羽毛を、また飛ぶために翼を、そして必要なものを全てくださったからです。神さまは、あなた方をその被造物の中でも特に大事になさっておられ、空のきれいな所にあなた方の住居を用意なさり、蒔いたり、刈り入れたりしなくてもよいように、何の心配もなく暮らせるように、あなた方を守り心配なさっておられるのです。』

 わたしは、フランシスコに倣って福音に生きるために、具体的に次の二つの機会を選んでいます。いずれもわたしにメールでお問い合わせいただくか、〒600-8391 京都市下京区佐竹町388 フランシスコの家 TEL・FAX 075-822-2369 の、ルカ神父またはチネカ神父まで。

(1) 在世フランシスコ会兄弟会に入会して、例会に参加すること。

(2) NGOフランシスカンズ・インターナショナル・ジャパンに参加して一緒に活動すること。


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